ティム・ガイザー選手がモトクロス世界選手権で2年連続のチャンピオン獲得
2020 FIM※1モトクロス世界選手権の最高峰クラスMXGP(450ccクラス)において、株式会社ホンダ・レーシング(HRC)の契約ライダーで、ワークスチーム※2「Team HRC(チーム・エイチアールシー)」のティム・ガイザー選手が、2年連続3度目のシリーズチャンピオンを獲得した。
※1FIMとは、Federation Internationale de Motocyclisme(国際モーターサイクリズム連盟)の略称
※2ワークスチームとは、マシンを製造しているメーカーが運営しているチーム。HondaではHRCが運営するチーム
ティム・ガイザー選手は、Hondaのワークスマシン「CRF450RW」を駆り、11月4日(水)にイタリア・ピエトラムラタで開催された第17戦のレース1を2位でフィニッシュし、ランキング2位につける選手とのポイント差により、今シーズンのチャンピオンに決定。チャンピオン獲得後のレース2は、スタートでホールショット(第1コーナーを先頭で通過)を獲得し、安定した速さを見せ優勝して、レース1との合計成績で総合優勝も飾った。
今シーズンのモトクロス世界選手権は3月に開幕したが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて、第3戦以降は中断となり8月に再開した。全18戦のうち残り16戦を3ヵ月の間に消化する、非常にタイトなスケジュールでの開催となった。
そのような状況においても、ティム・ガイザー選手は、これまでに開催された全17戦34レースのうち14レースで優勝のほか、常に上位でポイントを得てチャンピオンを獲得した。
ティム・ガイザー選手は、スロベニア出身のライダーで、2015年にMX2(250ccクラス)の世界チャンピオンを獲得。翌2016年には、最高峰のMXGPにステップアップして、ルーキーイヤーでチャンピオンを獲得した。今回、ティム・ガイザー選手自身にとっては、MXGPで2年連続3回目のチャンピオン獲得となる。
Team HRC ティム・ガイザー
「4度目の世界チャンピオンになるなんて信じられない。初タイトルも素晴らしい経験でしたが、4回目のチャンピオン獲得は言葉が出ません。COVID-19でいつもと違うシーズンになり、第2戦と第3戦間に長い間隔がありましたが、最終的にはすべてがまとまりタイトルを獲得しました。今日のレースはとても素晴らしかった。ずっとプッシュしていたので、このタイトルと総合優勝を同じ日に達成できてとても嬉しいです。今日はここにいられなかった関係者がたくさんいるのですが、Team HRC全体のおかげなので、彼ら全員と一年中私を支えてくれたすべての人に感謝します。このチームで走ることは光栄であり、私を助けてくれたすべての人に感謝します。ありがとうございました」
株式会社ホンダ・レーシング(HRC) 代表取締役社長 野村欣滋(のむら よししげ)
「ティム・ガイザー選手が2年連続でチャンピオンを獲得してくれたことを非常にうれしく思っています。今年は新型コロナウイルス感染症のため、非常に厳しい連戦を強いられ、自身をベストコンディションに保つことさえ難しかったはずです。その中でもガイザー選手は、彼の強みであるバランスの取れた速さと安定性が一層磨かれ、“心・技・体”ともさらに充実し王者の風格も出てきたと思います。彼のチャンピオン獲得に携わったチームスタッフ、そしてレース活動を支えてくれた多くのスポンサーとモトクロスファンに感謝いたします」
ティム・ガイザー選手 主な戦績
2009年 | 85cc ヨーロッパ選手権チャンピオン |
2012年 | 125cc ヨーロッパ選手権チャンピオン 125cc ジュニア世界選手権チャンピオン 世界選手権 MX2デビュー |
2013年 | 世界選手権 MX2ランキング20位 |
2014年 | 世界選手権 MX2ランキング5位 |
2015年 | 世界選手権 MX2チャンピオン |
2016年 | 世界選手権 MXGPチャンピオン |
2017年 | 世界選手権 MXGP 5位 |
2018年 | 世界選手権 MXGP 4位 |
2019年 | 世界選手権 MXGPチャンピオン |
2020年 | 世界選手権 MXGPチャンピオン |
参照元サイト
野左根航汰選手が国内最高峰クラスJSB1000で初のチャンピオンを獲得 2020年 全日本ロードレース選手権 JSB1000
2020年10月31日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された全日本ロードレース選手権の最終戦 第52回MFJグランプリで、YZF-R1を駆る「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の野左根航汰選手が、レース1で2位を獲得し、国内最高峰のJSB1000で自身初となるチャンピオンを獲得した。ヤマハ発動機株式会社にとっては、2018・2019年の中須賀克行選手に続き、JSB1000の3連覇となる。また「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」は、4大会8レースすべてのポールポジションと優勝を獲得する圧倒的な強さを見せた。
2020年は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、4月の開幕戦が延期となり、その後、7大会から5大会に縮小して8月に開幕。ウエットレースとなった開幕戦SUGO大会のレース1では、チームメイトであり最大のライバルである中須賀克行選手が転倒リタイアとなる波乱の幕開けとなったが、野左根選手はこのレースを独走で優勝。レース2でも優勝し開幕2連勝とスタートダッシュを決めた。
続く第2戦は台風により中止となったが、第3戦オートポリス大会で両レースを制し4連勝。続く第4戦もてぎ大会でも連勝を重ね、6戦連続ポールポジション、開幕6連勝と、ランキング2位の清成龍一選手(ホンダ)に52ポイント差をつけ、最終戦MFJグランプリに臨んだ。
最終戦は、ポールポジションの中須賀選手が、好スタートからホールションと奪うも、野左根選手はすぐにトップに浮上。その後は、中須賀選手とライバルを含めた3台のバトルの中で12周目までトップを守ったものの中須賀選手に逆転を許す。その後は、優勝を目指しアタックを続けましたが届かず2位でフィニッシュとなったが、レース2を待たずに自身初となる国内最高峰クラスでのチャンピオンを決定。さらに11月1日のレース2では、中須賀選手の転倒もあり独走で今季7勝目を獲得し、シーズンを締めくくった。
野左根選手は、2013年にJ-GP2でチャンピオンを獲得し、2014年からJSB1000にステップアップ。2015年から当社の若手育成を担うユースチームに加入、2017年にはファクトリーライダーとして参戦を開始し、同年の第4戦でJSB1000初優勝を獲得するなどランキング5位。その後はランキング4位、3位とトップライダーの一人に成長し、2020年、JSB1000参戦6シーズン目にして初のチャンピオンを獲得した。なお2021年は、全日本王者としてスーパーバイク世界選手権にフル参戦、2017年の世界耐久選手権に続き世界に挑戦する。
野左根航汰選手談
「優勝して決めたかったので、中須賀選手に勝つことができずに残念ですが、チャンピオンが獲れてホッとしています。レース終了直後はいろいろな感情がありうれしい気持ちが飛んでしまいました。ただ、中須賀選手がすごく喜んでくれ、吉川監督、スタッフが喜んでいる顔が目に入り、少しずつ嬉しさがこみ上げてきました。
シーズンを振り返ると、新型コロナウイルスのためにレース開催が延期になり8月の開幕となりましたが、こんなに待ち遠しい開幕戦は今までに経験がありません。その開幕戦では連勝したものの、レース1で中須賀選手が転倒と欠場で、中須賀選手に勝つという目標は達成できませんでした。第2戦は台風で中止。第3戦は赤旗中断での勝利と、中須賀選手に接触しての優勝で、内容はスッキリしないものでした。
そして第4戦もてぎ、ドライでのレース2で中須賀選手を引き離し、ようやく一つの目標をクリアできました。中須賀選手という素晴らしいライダーが身近にいて目標とすることで、成長できたと思っています。そしてチャンピオンを獲れたのは、その中須賀選手や吉川監督、チームスタッフ、レース活動を支えてくださっているスポンサーの皆様、ファンの皆様、そしてチャンスをくれたヤマハのおかけです。本当に感謝しています」
吉川和多留監督談
「今年の野左根選手は、ライダーとして自分が一番になるんだという気持ちが明らかに高まってきてきました。中須賀選手についていくだけでなく、勝つためのマシンを作り、自分で物事を考え、勝負を挑む姿勢も見えてきました。さらに、中須賀選手から吸収するだけでなく、自分の良いところを伸ばす努力してきたことが強さとなり、チャンピオンへ結び付ついていったのです。このチームはダブルエースの体制ですが、中須賀選手も先輩として野左根選手の成長を支えてきました。悔しさもあると思いますが、ともに喜べる関係であり、監督としても常に二人が素晴らしいレースをしての結果なので、心から嬉しく思います。野左根選手はこの後、スーパーバイク世界選手権に主戦場を移しますが、この勢いのまま全日本チャンピオンとして思いっきりチャレンジし、さらに強いライダーになってくれることを期待します。最後に、我々の活動をサポートしてくだされるスポンサーの皆様、ファンの皆様には心から感謝いたします。ありがとうございました」
野左根選手 2020シーズンの戦績
参照元サイト
岡本裕生選手が自身2度目となるST600でのチャンピオンを獲得 2020年 全日本ロードレース選手権 ST600
2020年11月1日(日)、三重県の鈴鹿サーキットで開催された全日本ロードレース選手権の最終戦、第52回MFJグランプリで、「51ガレージニトロレーシング」からYZF-R6でST600に参戦する岡本裕生選手が4位となり、2018年に続き自身2度目となるチャンピオンを獲得。なお、YZF-R6がST600でチャンピオンとなるのは、今回を含め通算5回目となる。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、わずか5大会5レースでチャンピオンを決める短期決戦となった今シーズン。岡本選手は開幕戦のSUGO大会で後続に大差をつけて独走優勝し、幸先の良いスタートを切る。続く第2戦は台風の影響で中止となったが、第3戦のオートポリスでは2位。続く第4戦もてぎ大会では、ライバルの追撃を振り切って2勝目を獲得し、ランキング2位の小山知良選手(ホンダ)に13ポイント差をつけMFJグランプリに臨んだ。
迎えた決勝で岡本選手は、2番グリッドからホールショットを奪うも、これにYZF-R6ライダーの南本宗一郎選手が接近。激しくトップを入れ替えながら周回を重ねたが、残り10周となったところで赤旗中断となる。その後、残り7ラップで再開すると、岡本選手は2番手争いを展開。しかし残り2周で再び赤旗が提示され、5周を終えた時点の順位で4位となったが、十分なポイント差があったことからトップを守り、2018年に続き自身2度目となるチャンピオンを獲得した。
岡本裕生選手談
「参戦2年目の2018年にチャンピオンを獲得し、昨年は、連覇を目指していましたがランキング3位。そこで今年は、昨年のようなレースをしてしまったら、自分は終わりという気持ちでシーズンに臨みました。開幕戦で優勝し第3戦は僅差の2位。第4戦は自分らしいレース展開で優勝し、順調にシーズンを進めてきました。最終戦は上位争いの中での赤旗で再レースとなりましたが、タイヤ交換せずに走る厳しい状況でした。それでも落ち着いて走りチャンピオンを獲れたことはよかったし、目標通りの成績を残せたことでホッとしたという感じです。今年は参戦4年目と、ライバルに圧倒的な速さを見せることが必要でしたが、成長は確認することできました。次のステップは1,000ccクラスが目標ですが、野左根選手のように日本で一番になり、これに続く形で最終目標である世界で戦えるライダーになりたいと思います。コロナ禍でファンの皆様の応援や、チームやスポンサー様に支えられ好成績を収めることができました。本当にありがとうございました」
岡本選手 2020シーズンの戦績
参照元サイト
スズキ、FIM世界耐久選手権で 4年ぶり、16回目の年間チャンピオン獲得
FIM(国際モーターサイクリズム連盟)主催の「2019-2020 FIM 世界耐久選手権」に参戦している「スズキ・エンデュランス・レーシングチーム(SERT)」が9月26日にポルトガル エストリルサーキットで行われた最終戦「エストリル12時間」で4位を獲得し、シーズン累計ポイントで4年ぶり、16回目の年間チャンピオンを獲得した。
二輪車世界耐久選手権は、市販車をベースに耐久レース仕様に改造された二輪車で競われるレースで、今シーズンは年間4戦が行われた。スズキはスーパースポーツモデル「GSX-R1000」で参戦している。
エティエンヌ・マッソン選手
今シーズン、SERTはヨシムラジャパンの技術支援も受けながら、第1戦フランスの「ボルドール24時間」で優勝した後、第3戦のフランスの「ル・マン24時間」では3位表彰台を獲得し、シーズン累計ポイントランキングでは2位と40ポイント差でトップについていた。そして最終戦(第4戦)で4位を獲得し、累計ポイントが2位と18ポイント差の167.5ポイントとなり、年間チャンピオンに輝いた。
年間チャンピオンの獲得により、SERTのチームワークの高さと「GSX-R1000」の高い総合力を証明した。
スズキ・エンデュランス・レーシングチーム(SERT)
2019-2020年シーズンの成績
レース | 開催月日 | 場所 | 順位 | |
第1戦 | ボルドール24時間 | 2019年 9月21、22日 | フランス | 1位 |
第2戦 | セパン8時間 | 12月14日 | マレーシア | 4位 |
第3戦 | ル・マン24時間 | 2020年 8月29日、30日 | フランス | 3位 |
第4戦 | エストリル12時間 | 9月26日 | ポルトガル | 4位 |
2019-2020年シーズンの成績
シーズン累計ポイント
チーム | ポイント | |
1位 | Suzuki Endurance Racing Team | 167.5 |
2位 | YART-YAMAHA | 149.5 |
3位 | F.C.C. TSR Honda France | 143.5 |